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「仙人」のようなSS

更新日:5月27日


〔 おもとの丘奮闘記2023-⑪ 〕



SS(エスエス)とは何?

 我々果樹農業に関わっている者は当然知っているのですが、SSとは何?と思われるかもしれません。SSは

 自走式の防除機のことで、スピードスプレヤーと言うのが正式な名称です。略してSSと言います。

 このSS、動力ポンプで薬液を吹き出すだけでなく、強力なファンで空気を吸い込み吹き出すことで、樹の内

 部や遠くまで薬液を飛ばすことができます。防除作業が大幅に効率化でき、大規模果樹園では必須で、一般的

 な果樹農家では憧れの機械なのです。



古いSSを譲り受けました

 2019年の5月、あるみかん農家が廃業するというのでSSを要らないかという話が、人を介してうちに持

 ち込まれ、現物を見たうえで譲り受けることにしました。 



なんと18年前の機械

 このSS、年式は平成13年製なので譲り受けたときにすでに18年経過しており、さらにうちの農場で丸4年使

 用しているので、現在22歳ということになります。

 一般的に機械類は税制上の耐用年数は7年とされています。実際には農家は大事に扱って10~12年程度は使用

 しますが、さすがに18年と言うのはとても古い機械と言えます。


 譲り受ける際、とても古い機械なので無償か謝礼程度でいいのかなと思っていたら、一定の金額を提示されまし

 た。悩みましたが、自走できることや噴霧ポンプやファンがまだ生きているということで、提示金額より多少負け

 てもらいながら購入しました。



外観はサビだらけ、あちこちが故障

 このSSがおもとの丘農場に来てから、まず、外観を多少きれいにしました。なにせ18年も経っているので、あ

 ちこちサビだらけでした。




     (あちこちサビだらけ)                 (黒いペンキを塗りました)




満身創痍、あちこち故障

 機械の18年といえば、人間でいえば90歳を超えています。現在は22歳ですから、100歳越えと言っても

 いいと思います。とんでもないジイさんです。そりゃあ故障も出ますわな。


 うちに来てから修理した個所

  ・ギアのさび付き・・・分解整備  ・タイヤのひび割れ・・・逐次全部交換  ・バッテリー・・2基交換

  ・ファンシャフトの傾き・・・修正 ・薬液タンク穴あき・・・補修  ・ラジエーター・・さび落とし掃除、

   液交換  ・エンジン不調・・逐次修理  ・電気系統断線、接触不良・・・逐次修理  その他・・各種

   部品交換

   ※修理費は購入金額の数倍もかかりましたが、それでもこのSSがまだ現役で使えることで、十分に元は取

    れています。


 主治医がいます

  これだけ故障が多かったら、普通の農機具屋さんなら「もう買い換えたら?」と言って修理を断られるかもし

  れません。うちがお願いするのはM農機のOさんで「何とかしてくれんかねえ」というと、何とかしてくれま

  す。このOさん、若いのに腕は確かで、フットワークも軽く、とても助かっています。感謝、感謝。




 うちの防除機械

  おもとの丘で現在保有している防除機械は、SS(1,000ℓ)・・とても古い  SS(500ℓ)・・馬力弱い  

  動力噴霧機・・2台(1台防除、1台除草剤用)です。

  かぼすやゆずの樹が小さかった時は、動力噴霧機や馬力の弱いSSでもよかったのですが、ずいぶん樹が大き

  くなりました。防除能力が足りなくなりつつあります。





SS(1,000ℓ)


 タンク容量が大きく馬力も強い。

 しかしとても古い。故障しないよう大事に

 使っている。


 1,000ℓなので、「セン」と呼んでいる。






 


SS(500ℓ)


 タンクが小さく馬力も弱い。

 幼木用にしか使えない。


 人に例えると中学生ぐらいか。








(動力噴霧器)


 いわゆる「動噴(どうふん)」と呼んでいる。

 軽トラにタンクとともに積んで使用。


 防除用と除草剤用の2台所有。







         それぞれの防除機械は、圃場条件やかぼすの樹齢に合わせて使い分けています。




新しいSSを買えば?

 主力となる馬力の強い、大容量(1,000ℓ)のSSの新車を切実に欲しいと思っています。しかしSSは特殊な機械

 なので、自動車などに比べると製造台数が少なく、非常に高価です。フル装備(4WD,4WS、キャビン付)の

 SSは優に1,000万円を超え、高級車が農園を走っているようなものです。


 おもとの丘は、栽培面積が計画のまだ半分にも達していません。また、今植わっているかぼすも幼木が半分以上あ

 ってまだかぼすの果実を成らせていません。おもとの丘はまだ発展途上で、当然、経営的にも赤字です。できるだ

 け経費を削減してこの時期を乗り越えなければなりません。

 ただし、現在、補助金を利用して新しくSSを導入する準備を進めています。しかし、補助事業は手続きが難しく

 、今シーズンには間に合いそうもありません。あと1年、現在の機械で防除をこなさなくてはなりません。



防除は非常に大事

 かぼす栽培にとって、防除(薬剤散布)は非常に大事です。無農薬栽培は不可能です。幼木(実を成らせない)の

 3年間は、樹の成長が妨げられる「エカキムシ(ミカンハモグリガの幼虫)」の防除が重要ですし、結果樹(実を

 成らせる)になれば「かいよう病」の防除が最重要になります。





(エカキムシの被害枝)


 葉が縮れ、枝の充実が悪くなる。


 幼木にとって、エカキムシの防除

 は必須。










 


(かいよう病被害果)


 かぼすの最凶病害。なかなか手強く、根絶する

 のに大変苦労する。 













老体にムチ打って頑張っている








この1,000ℓのスピードスプレヤー、我々は「セン」と呼んでいますが、漢字で書けば「千」よりも仙人の「仙」の方が似合うと思います。




今も何とか元気で防除作業を行なっています。


頑張れ「仙ジイさん」




















           軽~るく書こうと思っていたのですが、ついつい気合が入って今回も重くなって

           しまいました。私は「長老」を名乗っていますが、今回の「仙ジイ」に比べれば

           まだまだ若いのですよ。腰が痛いだの体がもたんなどとは、言ってはいけません

           なあ。                               

                                 〔 おもとの丘の長老 〕      














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