〔おもとの丘奮闘記 2023-①〕
3月に入り日中の気温はずいぶん高くなってきましたが、かぼすの樹はまだ眠っています。 昨年12月6日を最後に休止していました本ブログを再開します。
かぼす樹の活動再開は?
現在かぼすの樹は休眠状態にあります。芽も伸ばさず、根から水や養分をほとんど吸わずじっとしているのです。
(現在のかぼすの葉:水上げをしていないので葉にツヤがない)
「休眠」ではなく「休眠状態」と書いたのは理由があります。同じ果樹の仲間でも、梨やブドウなどの「落葉果 樹」とミカンやかぼすなどの柑橘類「常緑果樹」は、生理的に異なります。
「落葉果樹」は秋に葉を落とし、スイッチを切って本当の休眠をします。春にこの休眠から目覚めるためには、一 定の低温の累積に遭遇しないと目覚めないのです。近年の温暖化の影響で、九州南部の落葉果樹の産地で、十分な 低温が得られず、生産が不安定になっている産地もあります。
一方柑橘類は、冬の低温で活動を止めているだけなので、一定の温度上昇があれば活動を再開します。 柑橘類の活動再開温度・・・日平均温度15℃以上、地温10℃以上 (瞬間的な最高温度ではない) 年によって春の気温推移は差がありますが、4月の上旬ころから新芽が動くのではと予想しています。 冬の間は農場はヒマ? 冬の間は出荷作業もないし樹も眠っているので、作業もなくてヒマなのでは?と思われる人がいるかもしれません が、と~んでもない。秋から冬にかけてやらなくてはいけない仕事がてんこ盛りで、大層忙しいのです。 摘果や葉摘みなどの直接果実に関する作業はありませんが、かぼす樹がすくすく育つための環境整備や剪定作業、 また、今春に新たに苗を植えるための準備等、助っ人にも来てもらってなんとかこなしています。 〇法面(のりめん)の雑木伐採。
階段耕の法面に生えている雑木を数年間放置していたら、大変なことになってしまいました。 雑木がかぼすやユズに覆いかぶさって、飲み込まれそうになっていました。 チェーンソーで雑木を切って、かぼすやユズが蘇りました。 (この写真の中にスタッフがいます。見える?)
〇剪定作業 柑橘類の剪定は、本来は3月に行なうのが樹の生理上望ましいのですが、面積が広いのでそんなことは言ってはお
られません。1月から2か月以上剪定作業を行ないました。毎日剪定鋏を使っていると、腱鞘炎になりそうです。
(栽培できなくなった農家から借りた園地)
今年から、約1ヘクタールのかぼす園をうちの農場 で作ることにしました。 数年間きちんと剪定していなかったので、大変苦労 しました。
〇除草剤散布
春草が伸びてきたので、除草剤を散布しました。
草管理は、除草剤と草刈り機とを併用して行なっています。春草は短いうちに除草剤でたたいておくと、しばらく抑えられます。
〇防風施設設置
昨年9月の台風で、多くの苗が倒されたりして多大な被害を受けました。
補助事業を活用して防風施設を設置しました。これで被害が軽減できると思います。 (施工は専門の業者さん)
〇肥料散布 春には元肥(もとひ)をやります。しかし、一律という訳にはいかず、元気バリバリの樹は肥料を控えて、昨年多 くの果実を成らせてやや樹勢が落ちた樹を中心に肥料をやりました。元気バリバリの樹にさらに肥料をやると、樹 の勢いがつきすぎて花が着かなくなるのです。 ※かぼすの樹が眠っている間に、やるべきことはまだたくさんあります。今年は3月から1名、4月から1名のスタ ッフが増員され、人員的に補強されました。本来やるべきことをきちんとやれば、生産量・販売量、販売額も確実 に増えていくはずです。スタッフ一同、今年の栽培に期待しています。 今年第1号のブログを書いてみましたが、やはりいささか硬いなと思います。根が真面目 なものですから、こういう形になってしまいます。奇特な読者の方、お付き合いください。 さて、昨年の我が農場は悲喜こもごもでした。隔年結果やかいよう病などの病気、台風等々 色々な反省点がありました。 「○○をこうしていたら」とか、「△△をああしていなければ」などの「たら・れば」が多 かったと思います。今年は、「ニラレバ定食」は食べても、「タラレバ」定食は食べないよ うにしたいと思っています。
〔 おもとの丘の長老 〕
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