〔 おもとの丘奮闘記2013-⑲ 〕
おもとの丘のかぼすは、「大分1号」と「香美の川」の2品種
8月17日に出荷を開始してから、出荷の注文が日々増えてきました。うちの農場で栽培、出荷しているかぼすの
品種は、通常品種で種のある「大分1号(おおいたいちごう)」と希少品種で種のない(正確には種の極めて少な
い)「香美の川(かみのかわ)」の2品種です。
(おもとの丘で出荷している品種) 左:香美の川 右:大分1号
かぼすは4種類ある
現在流通しているかぼすの品種は実は4種類あります。一番オーソドックスな品種は「大分1号」で、全体の8
5%を占めると言われています。次に貯蔵性の高い「豊のミドリ」。種の少ない系統の「香美の川」と「祖母の
香」です。「大分県カボス振興協議会」のホームページに写真が掲示されていますので、関心のある方はご覧く
ださい。また、大分県がバイオ技術で育成した種なし品種の「大分果研6号」が品種登録されましたが、一般に
販売されるようになるのはまだ数年先になる見込みです。これを加えると5品種になります。
「「香美の川」はかぼすじゃない」というお便りが・・・
出荷開始の初期のころ、「香美の川」を注文してくださったお客様からメールが届きました。要約すると下記の
とおり。
・当方大分県出身で現在は他県にいますが、長くかぼすを使用しています。
・これは種類は別としてかぼすではありません。柑橘系ではありますが、かぼすの味や香りではあり
ません。酸っぱいみかんのようです。
・生産者は本来のかぼすと商品の品質を実際に試した上でで販売しているのでしょうか。
・また、大分県の標章登録上の問題はないのでしょうか。県に確認してみます。
ずいぶん厳しいご意見ですが、おそらく今まで「大分1号」のみを使用されてきたのだと思われますので、
「香美の川」について説明させていただきます。
・香美の川は、津久見市で発見され(芽状変異:突然変異)品種登録されたかぼす品種です。
・特徴は「種がほとんどない」「やや小さい」「皮が薄く果汁歩合が高い」「果汁は酸味がマイルド」
「香りはややフルーテイ」で、女性的なかぼすと言えます。
こういう特徴を十分把握した上で販売しております。
・当然県も積極的に推進してきましたが、地元市場では通常品種「大分1号」を主体に販売してきた経緯
があり、今では希少品種となってしまいました。
・以前から、県外の消費者からは評価が高かったことを知っておりましたので、当農場で復活させて販売し
ております。
お好みで品種を選んでください
通常品種「大分1号」と「香美の川」は、それぞれに長所と短所があります。消費者の皆さんは、それぞれの特徴
を把握したうえでお好みの品種を選んでいただきたいと思います。
( 大分1号 )
かぼすの主力品種
果実重は80~100g
果皮はやや粗い
皮は厚い
皮に香り成分が多いので、香りは強い
種が1果に20個程度含まれる
(種の香りも含めて、これがかぼすの香りだ
と言う人もいます)
( 香美の川 )
希少品種
果実重は70g前後でやや小さい
果皮表面はなめらか
皮が薄い(絞りやすい)
香り、酸味はややマイルド
種がほとんどなく使いやすい
(天候などの影響で、種が1~2粒入ることも
あります。ご容赦ください。)
ご注文の7割が「香美の川」
「おもとの丘」が今年度の出荷を始めて約2週間になりますが、ご注文の7割が「香美の川」です。予想以上の
「香美の川」の人気に、いささか戸惑っています。当農場は開設からまだ年数が浅く、全栽培面積の約半分が幼
木園(実を成らせない園)ですし、結果園(実を成らせている園)でも、品種構成が「大分1号」と「香美の川」
の比率が約2:1で、「香美の川」は少ないのです。このままいけば早々に「残りわずか」→「完売」となるやも
しれません。うれしい悲鳴ではありますが。
「おもとの丘」はかぼすに特化した農場ですが、販売はネット通販や郵便局、ふるさと納税、企業などへ
の個別取引で、市場への出荷はしておりません。地元を含め、近隣の市場でのかぼす流通はある意味硬直
化しています。かぼすは優れた商材だと考えていますので、もっと多様化、もっと高価格で販売できると
考えます。
品種では消滅しかかっていた「香美の川」の復活、以前は相手にされなかった「黄かぼす」や、今年から
「黄緑かぼす」も試験的に販売します。もっとPRせねば。
このブログも頑張って書いていますが、対外的なPRがヘタなもので、よく探し当てて読んでいただきあ
りがとうございます。ううっ(涙)。
( おもとの丘の長老 )
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