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とても大事な「葉」のはなし

更新日:6月12日

(おもとの丘奮闘記⑦)



かわいそうな4番圃場の苗の話は前回お知らせしましたが、現在、新芽が盛んに発生しています。


植物にとって、何はなくとも「葉」が大事なのです。


ただ、出てきた新芽を全部そのままにしておくと、枝が混みすぎたり先端が伸びなかったりと

問題も発生しますので、栽培という観点から「芽かき」作業を行ない多少淘汰します。







寒波で古い葉がほぼ全部落ちた苗



新芽が盛んに発生している










葉は光合成で自分の体や果実を太らせる

 今さら言うまでもありませんが、植物は光合成(こうごうせい)をしています。


    6CO2 + 12H2O = C6H12O6 + 6O2 + 6H2O

  (二酸化炭素)  (水)  (ブドウ糖)  (酸素)  (水)


太陽エネルギーを使い、二酸化炭素と水からブドウ糖と酸素を合成しています。

ブドウ等は枝や根、果実に送られ、でんぷんの形で貯蔵されます。

植物のこの働きは動物にとってもとてもありがたく、食料と酸素を供給してくれ

ています。


意外と短い葉の寿命

 葉は新芽で発生してから1年半くらいは活発に働くが、その後は機能が衰えて

 自然と落葉します。

 つまり、葉の寿命は1年半~2年程度と言われています。意外と短いものです。







寿命が来た

旧葉



黄色くなり

自然に落ち










柑橘類の葉は、年3回発生する

 かぼすやゆず、みかんなどの柑橘類は、大きく分けて年3回芽(葉)が発生し、

 それぞれに名前がついています。


  春芽・・・4~5月に発生し、来年の結果母枝(実のなる枝)となることが

       多い。樹の勢いが安定した大人の樹は、この春芽が主体で、夏芽、

       秋芽はほとんど出ない


  夏芽・・・6下~9月頃 (時期の基準は正確ではない)

       まだ実を成らせていない幼木や果実があまり成らなかった

       大人の樹で発生する。幼木にとっては、一気に樹を大きく

       するチャンス。防除を徹底してエカキムシにやられないよ

       うにする。


  秋芽・・・10月以降に発生。気温が下がってくるので充実せず黄色

       いままである。役に立たないので、剪定で落とす。





秋芽


役に立たない

ので切る









寿命前に落ちる原因

 葉をたくさんつけて健全に光合成を行なっていれば、樹の太りがよく、

 果実もたくさんならせることができます。


 ところが、葉の寿命前に落としてしまういろいろな原因があります。


   ①エカキムシ、かいよう病による被害

   ②台風による傷や冬の寒風害による落葉

   ③鹿や野ウサギによる食害

   ④その他

このような原因を排除し、樹を健全に保つことが栽培者の務めです。

日々、悪戦苦闘しています。






エカキムシ(ミカンハモグリガ)

の被害を受けた個所から

かいよう病に羅病



いずれ落葉する











鹿の集団に食べられ、

葉が全くなくなった

かぼす




これを発見した時

は、愕然とし、天

を仰いだ











かぼす、ゆずの葉は、鹿好みのフレーバー

 柑橘類全般に言えることですが、特にかぼすやゆずの葉は、手でもんで嗅ぐと

 とても良い香りがします。香酸柑橘(こうさんかんきつ)と呼ばれ、果実はも

 ちろんさわやかな香りがするのですが、葉も香るのです。

 鹿たちはきっとルンルンして食べたことでしょう。野ウサギも狙ってきます。

 防獣柵はきちんと整備せんといけませんなあ。

 

 

 悪戦苦闘しながら艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えて、まだまだ

 頑張ります。



                      ( 「おもとの丘」の長老 )   


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