( おもとの丘奮闘記 ㉜)
農園の周りにウジャウジャいます
このブログで3月に「コラッ!野うさぎ」を書きましたので、今回は「コラッ!」シリーズの第2弾で「鹿」を
取り上げます。
おもとの丘農園は、名前の由来となった霊峰御許山(おもとさん)の麓にあり、深い森に囲まれていますので野生
動物がた~くさん生息しています。イノシシ、鹿、野うさぎ、アナグマ、キツネ、タヌキ・・・。それこそウジャ
ウジャと。その中でも鹿はちょっと厄介なのです。
かぼすやゆずの果実は酸っぱいからか、野生動物は食べません。ところが、鹿と野うさぎは葉を好んで食べます。
イノシシは葉にも興味がなく、ミミズなどを探すためにひたすら土を掘り返して、苗まで掘り返して枯らしてしま
います。(イノシシについては、コラッ!シリーズ第3弾で後日)
(かぼす園の横をうろうろしている鹿)
かぼすの葉はいい香り
かぼすの葉をもんで香りを嗅ぐと、とても良い香りがします。かぼす以外の香酸柑橘類(ゆず、レモン)も鹿によ
く食べられます。どうもこのフレーバーが、鹿にはたまらないようなのです。
食べた跡を見れば鹿の仕業とすぐわかる
( 鹿の食害跡 )
鹿が葉を食べるときは、くわえて引きちぎります。
葉の食べ残しを見れば、犯人が分かります。
部分的に丸坊主にされた枝。この枝には来年実は成
りません。
しかし樹がかなり大きければ、一部食べられても全
体としてはさほど影響はありません。
幼木の葉が食べられると、生育に大きく影響する
かぼすの樹が大きくなって部分的に葉を食べられても、さほどの被害はありません。しかし、植えて1年目や2年
目の苗が小さい時に葉をほとんど食べられると、生育が著しく劣るようになります。
( 葉をほとんど食べられた幼木 )
葉は光合成を行なってデンプンを作り、枝や根を成
長させます。
葉がないと生育は遅くなります。
( 幹の皮を食べられた苗 )
皮は篩管(しかん)部で、葉でできた養分を根など
に送る重要な組織。
この苗は枯れました。
鹿よけの柵を作ればよいのでは?
そうです、柑橘類を山の近所で栽培する場合、防獣柵は必須です。農家によっては電気柵を設置しているところも
ありますが、防獣柵と電気柵では一長一短があります。おもとの丘では、物理的に防ぐ防獣柵で対処しようとしま
したが・・・。
防獣柵も試行錯誤の連続
〇最初の防獣柵は安い市販品の柵。
軽量のポールとナイロンネットの組み合わせで、
ほとんど役に立ちませんでした。
ネットは食い破られ、ポールも押し倒され。
最初はなめていました。
〇補強、改良型
下半分にワイヤーメッシュ(金属製の柵)を入
れ、ポールの補強及び食い破り防止。
ほぼ効果はあったが、地際部を掘られたりワイヤ
ーメッシュをひん曲げられてイノシシが侵入した
個所もありました。
〇国庫事業で設置した柵
令和2年度、3年度に国庫事業で造成、植栽した
園地は、造成工事とセットで防獣柵も設置しまし
た。さすが国庫事業、ちゃんとした防獣柵で今の
ところ被害はありません。
ワナで捕まえたらどうか
農園開始初期のころ、社員はワナの狩猟免許を取得していました。何個か仕掛けておいたくくりワナの一つに小鹿
がかかっていました。バンビのようなかわいい小鹿でしたので、止め刺し(とどめを刺すこと)ができず、知り合
いの猟師さんに連絡して処理してもらいました。
今は、別の猟師さんが農園の周りにたくさんワナを仕掛けてくれて、バンバン捕獲してくれています。鹿やイノシ
シの密度が下がってくれればいいのですが。
全国的に野生鳥獣害が問題になっています。過疎化等で人が少なくなり、動物がだんだん里
に下りてくるようになってきました。アフリカやアマゾンでは開発による環境破壊が原因と
言われていますが、日本では、農地や山の管理放棄が原因だと思います。
それはそうと、山には草や木はなんぼでもあるやろうに、人が植えたものを勝手に食うなよ
と言いたい。(イノシシのくそったれについてはまた後日)
( おもとの丘の長老 )
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