〔 おもとの丘奮闘記2023-㉕ 〕
「おもとの丘」では、現在黄かぼすの出荷を行なっており12月いっぱいまで続ける予定ですが、今年も変な天候でしたね。連日テレビで、最高気温が〇〇度とか週末は寒波で積雪とか、夏から秋、冬へのスムーズな移行はどこへやら、乱高下、支離滅裂、ほんとにどうなっているのでしょうか?
そのような天候不順の中で、「おもとの丘」で一番困っているのは少雨・乾燥です。
秋の降水量が極端に少ない
気象庁のデータで確認すると、この少雨は8月中旬から始まっており、8月中旬平年比20%、下旬18%、9月
は月で見ると平年比16%、10月は18%、11月は途中経過で40%台となっています。確かに8月中旬~現
在まで異常に少ない降水量となっています。例年なら秋に一定の降水があり、果実を成らせて弱った樹勢が回復す
るのですが、去年、今年と雨が少なく、樹勢回復がしにくくなっています。
弱っている樹がある
一部の園地で弱って葉が黄化している樹があります。果樹は植えてから5~6年経つと根がかなり深く張り、一年
生作物(野菜等)に比べると乾燥には強いのですが、耕土が浅い園地であったり、果実をたくさん成らせすぎる
と、弱ってきます。
(葉が黄化した園地)・・・この園地は土が浅く、たくさんかぼすが成った。(全部収穫済み)
この園地は6年生で乾燥に対する耐性はある程度あるので、今後の降雨を待てば春先には葉の色は回復すると見
込んでいます。
園地によっては全く影響のないところも
(まだ成らせている園地) (全く影響のない園地)収穫済み 耕土が深い園地なので大丈夫 元気がが良すぎて困る。
みかんは適度な乾燥でおいしくなる
過度な乾燥は何の作物でも困りますが、秋の適度な乾燥が望ましい作物もあります。例えば温州みかん(普通のみ
かん)は、秋の雨の多少で味(特に糖度)が変わります。温州みかんの中でも9月~11月に出荷される極早生み
かんや早生(わせ)みかんは、収穫前の1~2か月は乾燥気味の方が糖度が高くおいしいみかんになります。その
ため、園地の水はけを良くしたり雨水が入らないように特殊なマルチ資材で覆う栽培法がとられてきました。
しかし、かぼすは糖度の高低を問われないので、このようなことはしません。
幼木がかわいそう
上記の園地は植えてから5~6年経っていますので、ある程度体力もあり、来春までに自然と回復するものと見込
んでいますが、今年の春に植えた1年目の幼木は、ちょっとかわいそうな状況になっています。
(やや生育不良の幼木園)
8月中旬からかぼすの出荷を始めまして、日々の収穫、出荷作業に追われて幼木の栽培管理がおろそかになってし
まいました。かぼすの苗の1年目と言えば、人間で言えば赤ん坊と同じです。根もあまり深く伸びてはおらず、乾
燥には弱いのです。肥料はエコロングという長く効く肥料を1年分入れていますのでちょこちょこやらなくても良
いのですが、雨が降らねばこれも効きません。草もきちんと管理できませんでした。
「おもとの丘」では、苗を植えて3年間は果実を成らせず樹をひたすら大きくする幼木管理を行なっていますが、
(生育が良い場合は2年育成の3年目着果もあり)1年目がこの状態では、果実を成らせられるまでもっと年数が
かかるかもしれません。
しかし、今からでも間に合うかもしれません。テコ入れをして、来春からの2年目にすくすく伸びる管理をしよ
うと考えています。
かぼす出荷と幼木育成の同時進行
「おもとの丘」は、農場としてまだ完成していません。発展途上です。収穫、出荷できる結果樹園が約半分、残り
の半分は幼木園で、さらに毎年新たに苗を植えています。結果樹園と幼木園では使用する農薬も異なりますし、肥
料の施用法も異なるので、同時進行するとかなり煩雑です。しかし、そうも言ってはおられません。今から来春に
向けて課題の掘り起こし、改善作業を行なっていきます。
今回は栽培上の課題を書きましたが、きっと皆さん面白くなかったことと思います。
読んでいただきましてありがとうございます。うちの農場の良いことも悪いことも
知っていただこうと書いております。あしからず。
ところで、「完熟黄かぼす」は絶賛販売中です。年内いっぱい販売いたします。
寒くなりました、鍋を食べてますか?生しぼり黄かぼすポン酢で食べたら、市販の
瓶入りのポン酢なんざあ・・・。(あくまで個人の感想です)
〔 おもとの丘の長老 〕
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