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薄幸の品種「香美の川」再デビュー

( おもとの丘奮闘記㉑ )



かぼすには品種が色々あります

 大分県で栽培されているかぼすには、現在、4種類の品種があります。

 栽培面積や出荷量で一番多いのが「大分1号」で、全体の約85%を占めているといわれています。次いで、貯蔵 

 用品種の「豊のみどり」で、後は、種なし(正確には種の極めて少ない)品種の「香美の川」と「祖母の香り」で

 す。

 (品種ごとの簡単な特徴)

   大分1号・・・県下に様々な特徴のあるかぼすが存在していたのを、県の柑橘試験場が調査し、最も優れた

          系統を選び普及させた。かぼすと言えば大分1号と言われる、スタンダードなかぼす。

   豊のみどり・・貯蔵用品種、果皮の緑色が濃く酸もやや高い。貯蔵に適する。

   香美の川・・・種の少ない品種

   祖母の香・・・種の少ない品種      

                (品種ごとの写真、特徴は「大分県カボス振興協議会」のHPをご覧ください。)

   


「香美の川」を復活させます

                                           (香美の川 果実)


 「香美の川(かみのかわ)」は、昭和55年に津久見市で発見されて、「祖母の香(そぼのかおり)」とともに

 種の少ない品種として面積拡大を図っていたのですが、諸般の事情で、現在では極めて少ない希少品種となって

 しまいました。



香美の川の特徴は?

 一番の特徴として種が極めて少ないことが挙げられます。大分1号などの種あり品種では、1果あたり20~25

 個程度の種が入っています。一方「香美の川」は、通常、種は1個も入っていません。しかし、開花時期の天候 

 (特に温度)によっては1~2個入ることもあります。


 当初、香美の川は種なし品種と言っていましたが、消費者の方から、「種が1個入っていた」というクレームがあ

 ったそうで、それ以来、種の極めて少ない品種と表記するようになりました。

 

 (おもとの丘の考え方)

   かぼすは工業製品ではありません。複雑な自然環境の中で栽培しておりますので、その年の気象や園地の

   条件によって果実にある程度のバラツキが出るのは許容していただきたいと思っています。

   よって、我が農場「おもとの丘」では、種なし品種「香美の川」で販売します。

 


 その他の特徴は?

  「香美の川」のその他の特徴として、次のことが挙げられます。

     〇果実がやや小ぶり  〇果皮がやや薄く滑らか  〇果汁の酸がまろやか  〇香りがフルーティー

     〇果汁歩合(果実重に対する果汁の比率)は高い


  


( 香美の川と大分1号の比較 )



 左:香美の川

 右:大分1号









「香美の川」衰退の経緯

  当初栽培を推進していた「香美の川」がなぜ衰退していったのか。記憶をたどっていくと次のようなことだった

  と思います。


 ・大分県のかぼす流通は、大分県内、九州管内(特に北部九州)が主体で、関西や関東への出荷は少なかった。

 ・品種は大分1号が主体で、この味や香りが標準でした。

 ・地元の産地市場(大分市場)では、大分1号より評価は低かった。

 ・県内の2大産地の1つで、香美の川を積極的に推進していた農協が、市場の動向を踏まえ、2年後に荷受けを

  中止すると農家に通知。農家は香美の川の樹を切るか他の品種を接ぎ木をして、香美の川を淘汰した。

 ・現在は組織的な栽培はなくなり、個々の農家が細々と栽培している。

 

  しかし当時から、九州外の都市部では一定の評価は受けていましたし、県内でも別府の市場ではホテルや

  旅館が多いことから、香美の川を名指しで購入してくれていました。可能性はあったのです。


 

 「香美の川」否定派の意見

  ・種の香りも含めてかぼすの香りだ、香美の川の香りはやや甘い。

  ・酸味がガツンと来ない、やや物足りない。

  ・大きさが小さい、大分1号に比べて見劣りする。


  とまあ、酷評して香美の川を絶滅危惧種にしてしまったのです。こういう人は良く言えば「コアなかぼす

  ファン」、悪く言えば「偏屈で頭の固いかぼすジイ」でしょうな。



「大分1号」が兄なら、「香美の川」は妹 

  「香美の川」の特徴を改めて見てみると、やや小さい、果汁がまろやか、種がないなどは、まさに女性的。

 別に劣っている訳でなく、この品種の個性と言えると思います。上品なかぼすと言ってもよいと思います。







(絞ってみる)


大分1号より皮が薄く絞りやすい。









「おもとの丘」の取り組み

 我が農場では、今まで4回植え付けをしてきました。最初の年は苗が手配できず植えられませんでしたが、2回~

 4回目では、大分1号と香美の川を約半分づつ植えてきました。


 おもとの丘のでは、苗を植えて3年間育成し4年目に初結果させるという方針でやってきました。平成31年3月

 に植えた樹が、今年いよいよ初結果、初出荷です。



 栽培上の課題はあります

  今年初出荷ということで準備していますが、課題があります。




(鈴なりの香美の川)


 果実が小さい







やや小さいというのは香美の川の特性ですが、樹の下の方に鈴なりで実を成らせると、かなり小さくなります。

写真の時点で、ゴルフボール前後の大きさしかありません。(上の方に少なく成っている果実はもっと大きい)

さすがにこれでは出荷できないと、時期を遅らせて大きくなるのを待ってから収穫する予定です。


来年の栽培上の改善点として、大分1号に比べて摘果を早くする、開花後の肥料を早めにやや多くやる等、

スタッフと話しているところです。



おもとの丘の出荷開始日は8月8日を予定していますが、香美の川につきましては、初期に収穫できる量が限られると思います。購入御希望の方は、できれば、8月25日以降にご注文いただくと十分な対応ができると思います。






(昨年の果実)

 サンプルで少量成らせました。

 きれいなかぼすです。







※今年の出荷箱はデザインが変わります。






  最近のアイドルは○○○48だの○○坂だの、オジさんには誰が誰やら、どのグループやらさっぱり分かり

  ませんが、若者に熱狂的なファンがいるようですね。


  かぼすの世界でも、今回、幸せ薄い妹かぼすの「香美の川」が再デビューします。皆さん、応援よろしく

  お願いします。


                                      ( おもとの丘の長老 )











 

閲覧数:54回2件のコメント

2 Comments


Thaikitchenkinkaokon
Oct 13, 2023

山梨県に住む大分県佐伯市出身の御年60歳のじじいでございます。 山梨の地で"タイ料理"を営んでおります。今回、御社の種無しカボス"香美の川"を5kg購入させて頂いた者です。言うまでもなく大分出身ですから子供の頃から食卓にはカボスがしょっちゅう・・・です。この香美の川なる品種に否定的な方がいくらかおられるのも良くわかります。おっしゃる通りそう感じる輩はまんず種ありの大分1号と同じくらい頭の固いじじいと言って差し支えございません。私も60歳の還暦じじいですが、この種無しカボスを頂いてびっくり仰天、いろんな使い道が頭の中を巡りました。さっそくタイ料理に使ってみることにしました。タイ料理では、「マナオ」というライム(キーライム)のような柑橘類を頻繁に使います。これを香美の川を使って再現してみるととても料理になじみ、かつ香り高く仕上がって季節感のないタイ料理に和のアクセントが醸されることになり、お客様も大変な関心を示されておりました。 私はカボスの広がりと可能性を味わったとたん即座に感じました。他県の方々も同様で即座に受け入れておりました。大分の古い人達もいつまでもこげんこっちゃ困るで。

最後になりますが、今後ともこの品種を強くプッシュされることを祈っております。これはほんとにいいです。言っときますが、大分1号も物凄く好きですからね。

ということで、これからもまた使わせて頂きますので宜しくお願い致します。

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yoshiharutsuru
Oct 16, 2023
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コメントありがとうございます

 「香美の川」に熱烈な応援メッセージを頂きまして、ありがとうございます。私はこのブログを書いております「おもとの丘の長老」を名乗っている、農場の技術顧問の都留と申します。長老とはいえ60ウン歳で、そんな年寄ではないと自分では思っています。


 さて香美の川ですが、ブログで書いたとおり、県内や北部九州での評価が低かったために衰退していきました。しかし、当時からホテル業界や県外の飲食店での一定の評価は得られていましたので、淘汰してしまうのはもったいないと思っておりました。


 おもとの丘では、昨年から香美の川を出荷しておりますが、とても評価は高く、今年の場合、ネット系では約7割が香美の川をご注文いただいています。

 とはいえ、中には「これはかぼすではない」というご意見の方がおられました。大分1号を基準に考えれば、香美の川は酸味や香りがやや物足りないと感じられたのかもしれません。しかし、かぼすにも多様性があっても良いと思います。


 おもとの丘では、今後も大事に香美の川を育てていきたいと考えております。引き続きの応援よろしくお願いします。


                       (おもとの丘の長老)     

 

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