〔 おもとの丘奮闘記2023- ⑰ 〕
う~暑い! たまらん
梅雨明け宣言は九州北部が全国でも一番遅く、7月25日にやっと発表されましたが、明けたら今度は強烈な暑さ
がやってきました。異常に暑い、熱中症アラートが連日発表されています。
しかし、暑いからと言って木陰で昼寝をしている訳にはいかず、かぼす農園にとって出荷前にやっておくべきこと
がまだあり、スタッフ一同汗だくで作業を行なっています。
8月17日から出荷を始めます
「おもとの丘」では、今年のかぼすの出荷を8月17日から開始します。このお盆後の8月17日という日は、微
妙な日となっています。この時期は、お盆やお中元需要で果物などの青果物が大量に流通します。しかし、お盆に
間に合うためには8月上旬に出荷できることが必要になります。
「おもとの丘」は県北なので出荷が遅れます
大分県の中でも、県南部の臼杵市や津久見市は春先の気温が高く花の咲く時期が早いので、8月上旬には出荷可
能になります(果汁が一定%以上出ること)が、おもとの丘は県北の宇佐市にあるため出荷がやや遅れます。残
念ながらお盆需要には間に合いません。しかし、最初にどっと出荷するのではなく、8~9月の緑かぼすの旬の
時期、10月の黄緑かぼす、11~12月の黄かぼすと、じっくり販売していきたいと考えています。
枝抜き、葉摘み作業をしています
枝抜き・・・混みあった枝を適度に抜いて(切って)光や風が内部まで入るようにする。
葉摘み・・・かぼす果実にペタっとついている葉を取り除く。
かぼすの品質は外観が主
一般的な果物の品質は、「外観」と「味」で決まります。いくら外観がきれいでも、味がまずい(糖度が低い、
酸味が強すぎ)と評価は低いものになります。
かぼすは香酸柑橘(こうさんかんきつ)ですから、糖度はあまり問題になりません。酸が6.5%ほどありますか
ら酸もみかんの6倍ほどあります。ただし、かぼすの味も「通」はわかるようで、「このかぼすはコクがある」な
どと言います。おもとの丘のかぼすは、有機物も入れていますし味には自信があります。
外観で変わる販売単価
出荷前には「選果(せんか)」を行ないます。外観によってかぼすをランク付けするのですが、そのランク別に
販売単価が変わります。
(おもとの丘の品質別販売単価)
「特撰プレミアム」・・・秘密 完全無欠なかぼす
「 標 準 」・・・・・500~600円/kg 軽微な色ムラ、傷あり
「 お徳用 」・・・・・300 円/kg やや目立つ色ムラ、傷あり
加工原料・・・・・・・60~80 円/kg 青果では売れないかぼす
品質の上位ランクの比率が高い方が収益は上がります。放任栽培で加工原料ばかりでは、大した売り上げにはな
りません。暑くても枝抜き、葉摘み、摘果をすることで品質を上げ、売上を増やさなければなりません。
( 色ムラ果 )
左:ほぼ良い
右::色ムラ果
葉がかぶさったいたため色ムラになった。
葉を取り除いて10日~14日経ると戻る。
( 傷 果 ) ( 害虫被害果 )
傷や病害虫の被害にあったかぼすは、青果では販売できず加工原料で出荷しますが、単価が安く、また、他の果実
に悪影響を与える恐れがあるので、摘果して廃棄します。
※かぼすは酢と香りがあればよいので、外観はどうでもよいと言う人もいます。シーズンになると直売所でも外観
のあまり良くないかぼすがネットに入れられて安く売られています。これはこれでよいと思います。
しかし、おもとの丘のかぼすは県外に発送することが多く、贈答品として使われています。県外の方が、食卓に
緑鮮やかなきれいなかぼすを乗せて、大分の香りと味を楽しんでいただいていると思うと、やはりきれいなかぼ
すをお届けしたいと思います。暑さには負けられません。
空調服というものがあります。服にファンが2つ着いていて内側に風を送り涼しく
するものです。うちでも2年前に安い物を買って使っていたら、すぐにダメになり
ました。今年は、高くてももう少しちゃんとしたものを買おうとネット等で担当が
探してみたところ、なんと、品切れ続出。建設関係や農林業等の外仕事の業界では
空調服は必須アイテムになっているようです。知り合いの作業服業界の人に探して
もらったところ、何とか確保できたとのこと。現在納品待ち。
早く来てくれないと「煮える」「焦げる」。
( おもとの丘の長老 )
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