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野いちごの実る谷

更新日:6月12日

(おもとの丘奮闘記⑩)


 今、野いちごが熟れています。

 かぼすの花の時期と同じころ、あちこちで野いちごの赤い実がなっています。

 野いちごが多いのが、うちのⅡ期(にき)圃場です。

 今回はこのⅡ期圃場について紹介します。
















(野いちご)




2年目に開園したのでⅡ期圃場

 おもとの丘では、毎年一定面積ずつかぼすを植えてきました。最初の年が平成30年の3月で、

 この圃場をⅠ期(いっき)。次の年31年3月に植えたのでⅡ期(にき)と呼んでいます。


特殊な地形のⅡ期圃場

 Ⅱ期圃場は壮大な谷になっています。農場名は「おもとの丘」なのに、谷があるの?と言われ

 そうですが、見事な谷です。私は「うちのグランドキャニオン」と呼んでいます。

 

この谷は、昭和40年代末頃(約50年前)に植えられたみかん園だったのですが、その後の

 みかん価格の暴落で農家が栽培をやめ、山に戻っていたところです。

 そこを、木を切り、再造成してかぼすの苗を植えました。






植付直後の

Ⅱ期圃場

 木を切り、法面(斜面)も

 きれいにしました。






 

 

Ⅱ期圃場は、まだ国の事業の対象にはなっていなかったため、予算も少なく大規模で理想的な園地

 にすることはできませんでした。元の地形を活かしながら、できるだけ自分たちで木を切り造成を

 し、なんとかかぼすの苗を植えられるようにしました。


 

( 余談 )果樹なら、こんな地形でも植えてよいか?

   よくありません。選択肢があるのなら、このような地形のところには植えない方が良いのです。

   以前、昭和の時代頃までは、「平坦で一番良いところは水田、次に普通畑(野菜等)、果樹は

   傾斜地でよい」という考えが一般的でした。

   ところが現代では、高齢化問題や作業の効率化を重視して、果樹園も「水はけのよい平坦地」が

   よいという考えに変わってきました。

   そこで、我が農場でこの後国庫事業で造成したⅢ期、Ⅳ期圃場は、要望を入れてもらい、ほぼ平

   坦で機械作業がスムーズに行なえる理想的な圃場になっています。



Ⅱ期圃場の欠点

 この圃場には欠点がいくつかあります。

   ①総面積に対して、実際に植えている面積の比率が小さい。(低収量)

   ②傾斜地の階段に1列しか植えられない。(片側だけの防除)  

   ③機械のUターン箇所がない段がある。(非効率)









(一つの階段)


機械作業の安全性を重視して、作業道は山側に、かぼすは崖側に植えました。





現在のⅡ期圃場




 開園してかぼすの苗を植えてから3年ちょっと経過

 しました。

 どこにかぼすがあるの?と言われそうです。

 

 これは、法面(のりめん:斜面部)の木や草が伸び

 てきたためで、確かに作業道はわかるものの、かぼ

 すの樹は見えにくいですね。


 


法面の木を残す理由

  ①根こそぎ取ってしまうと、斜面が崩れる。

  ②風が強く、防風林の役割りをさせている。

  ③管理するのに多大な労力を要する。

   ということで、かぼすが植わっている各階段で、かぼすの生

   育に影響がある箇所のみ、木を切ったり草刈りをします。



Ⅱ期圃場に価値はあるのか?

 価値を付けたいと考えています。

 作業効率は悪いし、管理コストも多くかかります。

 そこで、極力労力をかけず付加価値の高いかぼすを生産できないか

 、作戦を立てていきたいと考えています。


 他の圃場から離れているため、例えば、農薬散布を極力減らして「減

 農薬かぼす」または「有機栽培かぼす」の専用圃場にする。とか

 花の時期に養蜂家に頼んで「かぼすハチミツ」を採集するとか・・・。

 単なる効率の悪い圃場ではなく、個性のある圃場にしたいと思います。

 今後の課題です。
















  Ⅱ期圃場に行くと、この時期、あちこちに野いちごがあるのです。

  造成した時に、木や草の根が残っていたためです。

  幼少期の郷愁にそそられて、5~6粒摘んで口に放り込みます。

  甘酸っぱさが疲れを癒してくれます。


    おお~ここに大きいのがある

    あそこにうまそうなのが・・・   仕事にならんな。


                              ( おもとの丘の長老 )           



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