(おもとの丘奮闘記 ⑯)
かぼすの実(幼果)が今、ぐんぐん成長しています
開花からしばらくは「細胞分裂期」と呼ばれ、細胞の数が増えている時期でしたが、細胞分裂もほぼ収まり、
今は、「細胞肥大期」に入っているものと思われます。
大きくなっている幼果
マシン油乳剤をかけた
ので、ややテカってい
ます。
切ってみました
( 縦断面 )
皮の比率が高く、ずいぶん皮が厚く
感じます。
じょうのう(袋)や砂じょう(つぶつぶ)
も確認できます。
種子も見えますが、まだ未熟です。
( 横断面 )
じょうのうが9つあるのが確認できます。
じょうのうの数ははっきり何個と決まっている訳
ではなく、8~10個くらいでしょうか。
みかんでは、皮をむいてじょうのう(袋)を1つ
ずつ食べたりしますが、かぼすは皮をむきにくい
ので、切って果汁を絞ります。
まだ、この時期には果汁は出ません
今後、果実の肥大を行ないながら、液胞が発達してくると果汁が貯まってきます。
※「液胞発達期」(えきほうはったつき:砂じょうの中の細胞にある液胞という器官に果汁が貯まってくる期間)
出荷時期は?
・果実の肥大・・・出荷始めは1果当り80g前後で収穫しますが、その後も肥大は進み、10月中旬に成熟黄
化し、12月頃の黄かぼすでは、結果量の少ない樹で300gぐらいまで大きくなります。
(あまり大きすぎると出荷できないので、その前に何とかします。)
・果汁の出方・・・果汁が出るようになるのは8月上旬ころからです。この時期に、大分県カボス振興協議会が
音頭を取って、露地カボスの「旬入り宣言」を行ない消費者にアピールします。
ただし、中山間地の産地では積算温度が低く、出荷時期がやや後ろにずれることもあります。
時期によって果汁の出方に差があるので、その時期に見合った使い方をしましょう。
・出荷初期・・・8月上中旬 果汁やや少ない → さわやかな香りを楽しむ
・出荷盛期・・・8下~9月 果汁たっぷり → なんにでもかけましょう
・黄かぼす・・・10~12月 ジャバジャバ → 鍋のポン酢 等
おもとの丘の出荷開始日は 8月8日を予定しています。
まだまだやることがたくさん
出荷開始まであと40日前後。それまでそのまま放っておいてよいかというと、違うのです。まだまだやることが
たくさんあります。
(かいよう病の防除)・・・かぼすの大敵「かいよう病」を抑えなければなりまあせん。かいよう病に罹った
かぼすは出荷できません。昨年の初結果の年には、かいよう病が出て廃棄した果
実がたくさん出ました。今のところは抑えていますが、ボルドー系の薬剤を1~
2回散布する予定です。(ボルドーは有機農業でも使用可能な薬剤)
(摘果、葉摘み)・・・・・果実がかたまりで成っていたり葉がかぶさっていると、接触部分の緑色が薄くな
り、色ムラ果になります。このままでは品質が2級品になってしまいます。
(かたまり状のかぼす果実)
花が房状に咲いて、生理落果せずに全部着果したかぼす果実。葉かげによる色ムラはない。
(左の写真)・・・傷、病気もなく全部良い果実。 → 泣く泣く2~3個摘果(落とす)します。
(右の写真)・・・傷、病気はないが大きさに差がある。 → 小さい果実(遅れ花)を落とします。
全部の摘果、葉摘みはできません
結果樹(育成期間を経て実を成らせる樹)園の面積は昨年より増えています。これを全部丁寧に摘果や葉摘みを
することは無理。
品質の区分で、完全無欠で一番良いものを「特選」とし、多少の傷や色ムラがあるものを「標準」、それ以下で
多少難ありを「お徳用」として販売しています。
品質で販売単価が違って、「特選」は高いのです。まあ、「特選」は一定割合あればよいので、後は「標準」の
レベルのかぼすがたくさん採れるような管理をしていきたいと思います。
暑い!
早すぎる梅雨明け宣言が出まして、異常な暑さが続いています。
まだまだやることはたくさんあるのに、この暑さはなんとかならんものか。
ウチの若いもんは、この暑さの中でもバリバリ頑張っています。
私も年だからと事務所にばかりいては、若いもんに示しがつかん。毎日圃場に出ています。
しかし暑い、煮える、焦げる。
ご自愛ください。
( おもとの丘の長老 )
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