黄かぼす 出荷始めました

( おもとの丘奮闘記 ㉞ )



かぼすが熟れてきました

 かぼすは一般的には緑色のイメージだと思いますが、これは果実が未熟な時期に出荷されたため緑色なのです。

 かぼすもミカンやデコポンなど他の柑橘類と同様に、熟れると黄色くなります。しかし味はというと、甘くはなり

 ません。もともと酸の含有量が高い「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」ですから、成熟しても若干酸が下がり、糖

 は若干上がることで「まろやかな酸味」という味になります。



黄かぼすとして出荷を始めました

 「おもとの丘」では、8月上旬から緑かぼすの出荷を始めて9月いっぱい販売する予定だったのですが、予想以上

 のご注文を頂いたことや、栽培上の問題で隔年結果したり一部の圃場でかいよう病が発生して出荷できる量が減っ

 たりしたため、9月の20日前後で緑かぼすの出荷を停止しました。


 その後、徐々に緑色が抜けて黄色になるまでの過渡期は出荷を行なっていません。出荷しても、果たして中途半端

 な色のかぼすが売れるのかわからなかったからです。しかし、1か月以上出荷を停止するのもどうなのかと思うの

 で、来年は、色変わり過渡期の果実を「薄緑かぼす」とか「黄緑かぼす」とかで販売しようかと考えています。


 黄かぼすを11月10日から出荷開始しました。完全着色、きれいな黄色のかぼすです。




( 黄かぼす選果風景 )


外観を選別しています。

 

きれいなものは「標準品」

やや傷等があるものは「お徳用品」







( 箱詰め )



成熟するとかぼすが大きくなるので、2kg箱

ではフタが閉まらないこともあります。


黄かぼすは5kg箱が基本です。








黄かぼすの評価は? 

 大分県全体のかぼす販売戦略は、「グリーンかぼすの周年出荷」という方針をずいぶん長くとってきました。かぼ

 すの旬は8月上旬から9月末までで、この間は露地で緑色のかぼすが出荷できます。しかし、この露地の時期は出

 荷が多くなり市場での価格が値崩れをたびたび起こしていました。そこで、出荷を分散させようとハウスと貯蔵を

 推進してきました。また、緑色のかぼすは和食に合うということで、一年中緑色で出荷しようとしたのです。

 この戦略はほぼ正しかったと思いますが、旬の時期を外れたかぼすはコストがかかっているため価格が高く、一般

 的な消費者には手が届かないという問題もありました。


 当時の黄かぼすの評価は「適期に取りそこなったカス」というイメージで、市場でも安く買いたたかれていまし

 た。かぼす農家や庭に1~2本植えている人は黄かぼすの魅力を知っていたのですが、売っても安いので自家消

 費や人にあげたりしていました。



黄かぼすの魅力

 緑かぼすには鮮烈な香りやさわやかな酸味という魅力がありますが、黄かぼすにも素晴らしい魅力があるのです。


 まろやかな酸味

  緑の時期でもかぼす自体、他の香酸柑橘(レモンやすだち等)に比べて酸味がまろやかという特徴があります。

  酸っぱすぎないのがかぼすの酸味の魅力です。黄かぼすになると、これがさらにマイルドになりとても美味しく

  なります。うちのかぼすを買ってくれるお客さんで「いろいろ試してみたが、ポン酢にするには黄かぼすが一番

  いい」という方もおられます。


 たっぷりの果汁

  黄かぼすになると果汁がたっぷり出ます。緑かぼすの出荷始めの頃(8月上旬)では、果汁歩合(かじゅうぶあ

  い:果実の重さに対する果汁の割合)が20%前後であったものが、黄かぼすでは50%前後に増えます。果汁

  を絞ってドリンクやポン酢にしたり、果汁を瓶詰めで保存する場合、今頃のかぼすを使うとたっぷりとれます。


 ( 切断面 )                     ( 絞ってみる )   

    皮は相対的に薄くなり、柔らかくなる           柔らかく、果汁もたっぷり



黄かぼすの栽培上のリスク

 実は、黄かぼすには栽培上のリスクがあります。樹に成らせたままほっとけばよいのでは?と思われるかもしれま

 せんが、果実を長く樹に成らせておくと、光合成で作られた炭水化物が果実に取られ、来年の花が少なくなる危険

 性が高いのです。いわゆる隔年結果(かくねんけっか)と言われる現象です。

 ですから、黄かぼすを収穫しながら隔年結果を防ぐには、全体の着果量の一部のみ(3分の1程度)を黄色まで置

 き、3分の2は緑かぼすで収穫してしまうことです。結構神経を使います。



生しぼりポン酢の作り方

 黄かぼすの用途として一番のおすすめは、何と言っても鍋用のポン酢です。市販の瓶詰めのポン酢なんかとは比較

 にならない美味しいポン酢ができます。

     ポン酢は  と 醤油 と だし でできます。


 (一番簡単な方法)・・・かぼす果汁+麵つゆ

              麵つゆには醤油とだしが入っています。等量で合わせ、濃さは鍋の汁で調整。

 (次に簡単な方法)・・・かぼす果汁+醤油+顆粒だし

              顆粒だし(かつお節、昆布)は鍋の汁で溶かし、果汁、醤油と混ぜる。

 (本格的な方法)・・・・かぼす果汁+醤油にかつお節や昆布を漬け込む。

              長く漬けこむと臭みが出るので、3~4日で引き上げる。

   

        鍋の美味しい季節になりました。黄かぼすの「生しぼりポン酢」をお試しください。 





         黄かぼすをバンバン販売しようと思っていたのですが、数量限定販売です。

         緑かぼすも早めに販売中止せざるを得ませんでした。

         隔年結果や病気の発生、台風の襲来等々いろいろとトラブルがありました。

         あの日、あの時こうしておけばよかったと反省しきりです。

         人生と一緒で、なかなか思うようにならないもんです。


                                      ( おもとの丘の長老 )           

 

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